18世紀のフランス・パリ。修道院は形骸化し、貴族の令嬢を結婚まで俗世から隔離するための場所となっていた。修道女になるよう強要された貧乏貴族の三女シュザンヌ・シモナンは、横暴な修道院長や偽善化した教会のあり方に服従することを善しとせず、抵抗を続けていた。狭量な修道院長はそんな彼女を「悪魔憑き」と断じ、拷問や監禁を加える。それでもシュザンヌは自由を求めて戦うのだが……。 フランスの哲学者・作家のドニ・ディドロが1760年に執筆した小説『修道女』を、ジャック・リヴェット監督が映画化した作品。制作にあたって、リヴェット監督は溝口健二の『西鶴一代女』（1952年）にインスパイアされたという。 なお、本作の発表時はカトリック系の団体から反対運動が起こり、フランス本国で上映禁止となるなど物議を醸した。映画監督のジャン＝リュック・ゴダールは、当時の文化大臣アンドレ・マルローに上映禁止を批判する公開書簡を送っている。

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