ニューヨーク市のウェイヴァリー福祉センターに生活の貧窮や病気を理由に保護を求めてやってくる人々と、そこで働くソーシャルワーカーの姿を記録した作品。 映画はセンターの外観とそこに並ぶ人々の長蛇の列、手続きの為にポラロイド撮影をする人々の様子から始まる。最初に福祉センターを訪れるのは、ワシントンの居留区を出て身分証を持たないインディアンの男である。彼はインディアンであることを理由に差別を受けていると訴える。さらに手違いで小切手を受け取れず事情を説明する者、病気で動けないのに小切手を受け取りにセンターまで来なければならないと不平を洩らす者、その日の食事や寝る場所もなく疲れ果て困惑する者などの姿が映し出される。膨大な書類の処理と困窮を訴える人々の対応に忙しいケースワーカーたち。しかし、そこを訪れる多くの者が書類の不備のために福祉の恩恵を受けられず、落胆した表情で去っていく。アメリカの社会システムの事実を捉えた作品である。