グルジアの画家ニコ・ピロスマニの半生を描いた作品。現在はプリミチヴィズム派の代表的作家として高い評価を受けるピロスマニであるが、生前はその才能を認められないまま孤独の中で56年の生涯を終えている。 長年奉公したトビリシの家を出たピロスマニは、流浪の末トビリシに戻って来た。友人と店を開くものの、彼の純朴な気性は商人に向かず、すぐに商品を貧しい人々に与えて店を閉じてしまう。再び流浪の生活に戻ったピロスマニは、居酒屋やレストランで一日の糧、酒のために、手作りの絵の具で油布やトタン板、ボール紙に人物・風景・動物・静物などを描いて細々と暮らしていた。そんなある日、この地を訪れた画家によって才能を見いだされたピロスマニは画壇に招かれることになった。しかし、当時の美術界で彼の絵は認められず、非難と軽蔑を受けることとなってしまう。親友にまで見放され孤立したピロスマニだったが、変わらぬ信念によって祖末な小屋で絵を描き続けるのだった。 ピロスマニを演じているのはグルジアの画家、建築家、グラフィックデザイナーでもあるアフタンジル・ワラジである。

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