終戦の翌年に制作された、戦時中のニュースや宣伝映画をもとに構成されたアーカイブ・ドキュメンタリー。編集に『戦ふ兵隊』（1939年）の亀井文夫らが関わっている。亀井は戦時中から反戦色を漂わせる映画作家として日本軍部に目をつけられていたが、本作でも、昭和天皇が軍服から普段服へと変わっていくかのようなモンタージュを取り入れるといった演出を施し、また、支那事変から太平洋戦争に至るまでの日本の行為が海外市場を支配するための侵略であるとして、戦争犯罪人たちを告発してみせた。結果、GHQの検閲は通過したものの、当時の首相・吉田茂の逆鱗に触れ、公開後すぐにフィルムは没収・上映禁止の憂き目に遭うことになる。