ポルト大学建築学部を、内外部の撮影に加え、模型や当時の平面図などの豊富なビジュアル資料で解説。着想、着工、完成から現在の状況に至るまで、建築家自身の発言に当時の社会状況や批評を交え、建築作品を多面的に検証する。 ポルト大学建築学部はポルトガルを代表する建築家アルヴァロ・シザが80年代から90年代にかけて教鞭をとった大学のために設計した建築である。起伏に富んだ地形を巧みに利用することで建物と丘陵がうまく交差し、ちいさな街を思わせる配置となっている。モダニズムのデザインの中にも斜線や鋭角の多様で変化をつけながら、大学という施設にある図書館や講義室など、機能面と環境の豊かな融合がみられる。