イメージライブラリー所蔵の資料の芸術性や資料的価値を積極的に引き出していくために、テーマに沿って映像作品の解説を行うイメージライブラリー課外講座の記録。 伊藤高志氏は九州芸術工科大学在学中に松本俊夫氏に師事し、本格的に実験映像作品の制作を始めた。1981年に制作された「SPACY」は、人気のない無機質な体育館を撮影したスチール写真を使って構成された作品である。動かない“スチール”をコマ撮りし、あえて連続性を与えることによって独特な時間と空間を作り出す手法は氏の作品の特徴の一つであり、作品は世界中の映画祭で高く評価されている。90年代後半の作品はそれまでの物理的な空間から個々の内面や心理的な世界へとそのテーマがシフトしながら、フレーム単位で作家の意図が緻密に反映された作品作りのスタンスは変わらない。本講座では、伊藤氏の作品を“体験”し、さらにその制作について伊藤氏による講義が行なわれた。 上映作品：１日目「SPACY」「BOX」「THUNDER」「DRILL」「GRIM」「WALL」「悪魔の回路図」２日目「ZONE」「静かな一日・完全版」（本記録には上映作品は含まれていません）