18世紀中頃の南米奥地。スペイン統治下のパラナ川上流域では、厳しい自然とインディオの抵抗により何人もの宣教師が命を落としていた。そんな中、新たに派遣されたガブリエル神父は滝の上流にミッション（伝導村）を築くため、決死の覚悟で滝を這い上がり、やがて「音楽」を共通の言葉にしてインディオ達に受け入れられていく。一方、インディオを捕まえて売り飛ばしていた奴隷商人メンドーサは、愛人をめぐる諍いから弟を殺してしまい、その罪の重さに苛まれていた。そんな彼に手を差し伸べたのはガブリエル神父だった。メンドーサは贖罪のため自らに苦行を課すことを決意し、ガブリエル神父と共にインディオ達との生活を始め、やがて心の平安を見いだしていく。数年後、イエズス会士とインディオ達の手によって村に教会が完成した。そんな折、スペインとポルトガル両国によって南米領土に国境線が引かれ、イエズス会布教地区はポルトガル領に編入されることになった。インディオと宣教師達は退去を命じられたが、ガブリエル神父はこれに背いて最後まで教会を守ることを決意する。そして、イエズス会士となっていたメンドーサは一度は捨てた剣を手に取り、インディオの男達と共に戦う道を選ぶのだった。 1986年カンヌ国際映画祭パルム・ドール／フランス映画高等技術委員会賞受賞。