昭和43年に「ウルトラセブン」が終了した後、円谷プロダクションは「空想特撮シリーズ」から方向を転換し、円谷プロ＝怪獣特撮という世間の常識を覆してカブリ物・巨大ヒーローが登場しない新番組「怪奇大作戦」シリーズを製作した。主人公は警察ではない民間組織である科学捜査研究所（SRI）のメンバーで、警察が解決できない怪事件が発生すると、警察の依頼を受けて科学捜査を行ない解決する、というのが基本構成である。 深夜に響く電話のベル。応対に出た滝口令子は受話器を父親へと手渡した。会話する父の声が奇妙な甲高い音に遮られたと思った瞬間、父親の全身は突然青白い炎に包まれた…。そして令子の目の前でまたしても同じ事件が発生する。今度は保険外交員の水野が、公衆電話で話をしている最中に燃え上がったのだ。SRIの牧は、目撃者であり「甲高い音を聞いた」と証言した令子を無音室に入れ、令子にさまざまな高音を聞かせる。牧は，犯人が電話の増幅器を使って超音波を熱線に変換することで相手を焼き殺しているのだと推測したのだ。