昭和43年に「ウルトラセブン」が終了した後、円谷プロダクションは「空想特撮シリーズ」から方向を転換し、円谷プロ＝怪獣特撮という世間の常識を覆してカブリ物・巨大ヒーローが登場しない新番組「怪奇大作戦」シリーズを製作した。主人公は警察ではない民間組織である科学捜査研究所（SRI）のメンバーで、警察が解決できない怪事件が発生すると、警察の依頼を受けて科学捜査を行ない解決する、というのが基本構成である。 場所は京都。ある晴れた日に老人が骨董品の壺を眺める。壺をのぞき込んだ老人は突如、眼の視神経をズタズタされて死亡した。被害者は古美術商の市井商会から壺を購入していたことを知ったSRIは、番頭で肺を病んだ日野統三という男をマークする。 そんな中また同じ事件が発生する。統三は休暇をとり、自分に惚れている市井商会の娘・信子を連れて実家に帰る。統三の実家では祖父の代から市井商会のために壺の贋作を作っていたのだ。素晴らしい作陶技術を持ちながら、市井商会の強要のために自分の名前で壺を発表できない父を見て、統三は市井商会に憎しみを覚える。市井商会と成り金どもを許せない統三は、偶然入手した放射線物質を壺の底に塗りこめて売っていたのだった…。